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2004年12月 8日

OECDの第2回学習到達度調査(PISA)の結果が公表された。

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OECD(経済協力開発機構)が昨年度実施した国際的な学習到達度調査(PISA)の結果が公表され、「衝撃が走っている」などというニュースが報じられている。
学校のことをよく知っている人々なら「予想通りの結果ではないか」と誰しもが思っている。
中山文部科学大臣のテレビニュースでのコメントがふるっている。
「何のために勉強するのか、ということを、小さい時から家庭でも教える必要がある…」
こんなコメントは、街角で突然呼び止められてマイクを向けられた酔客が、何を言っていいか咄嗟に分からなくて答えるレベルだ。
自分が最高責任者である自覚はないのか。このコメントから分かるのは「何も考えたことがない」ということ、「教育」に関する定見も、見通しも計画も、何もないことだけだ。

まだ調査結果の資料全体を見ていないので、新聞報道だけしか分からないのだが、2000年に行われた第1回目の調査結果は詳しく調べてみたことがある。
2000年との比較を順位だけで言うと、「数学的リテラシー」が1位から6位へ、「読解力」が8位から14位になったことが騒がれている。
順位そのものはどうでもいいが、明らかなことは上位の国々と比較して、日本の「教育」が失敗している、ということだ。国の政策が根本的な欠陥を持っている、ということの当然の結果だ。
そして、教育制度に欠陥があるというのにとどまらず、日本社会全体のどこかに欠陥があり、その欠陥はもっと深刻な事態を予想させる。

日本の教育行政の特徴をひとことで言えば「思いつき」と「安上がり」。
現場はそれに振り回され、疲れ果てる。その繰り返しだ。
「ゆとりの時間」「総合的な学習」「選択履修科目」等々、これが最近の「思いつき」だ。
「受験戦争」「詰め込み教育」への反省から「思いついた」らしい。
学習指導要領は、「上限を定めている」と言っておきながら、学力低下の批判を受けると、今度は「最低限度の基準である」と正反対の見解を出してみたり、何の定見もない。

「総合的な学習」については、前回も今回もトップに君臨するフィンランドの実践を真似て、僕もいろいろな授業の参考にさせてもらった。フィンランドが成功していることひとつをみても、この考え方そのものが大筋で間違っていないことは確かなのだと思う。
だが、教育行政のスタンスが日本とフィンランドではまったく違う。
フィンランドは、教育の地方分権を推し進め、教師の資格をより厳しく(「修士」以上に)し、サポート体制に十分な予算を投じている。
日本は、教育の中央集権に執着しつづけ(「日の丸・君が代」の強制など)、教師の待遇は劣悪に放置し、「思いつき」は押しつけるが金は出さない。

新任教員に対するフィンランドのサポート体制は、「専任」のベテラン教師が1年間つききっきりで指導する。
日本もそれを真似てか、新任教員に対する「専任」教員が1年間指導する点は同じなのだが、その「専任」教員は授業は持たないのだが、それ以外の仕事はたくさんあるし、その教員が担当しない教科の授業数は他の教師が負担する仕組みになっている。
もっと呆れるのは、授業計画や指導計画の「書類」提出である。
かなり膨大で頻繁なものらしく、いつ見ても「書類」作りに追われている。当然、実際にその通りの内容が行われているかどうかよりも、「書類」として整っているかどうかだけを教育委員会はチェックするらしく、「重箱の隅をつつく」ような指摘が繰り返される、と担当教師は嘆き憤慨していた。
しかも、チェックしている教育委員会の指導主事なるものは、現場で通用しなくなったか、ヒラメ教師のなれの果てか、いずれにしても教科指導の力量のある元教師(ばかり?)ではない。そんな担当者にチェックできるのは、「書類」のミスぐらいしかないのも当然なのだ。

何か、とんでもない間違いが放置されている。
「日の丸・君が代」には血道を上げるくせに、国民の文化水準をどう高めていくか、子どもたちが「賢く」成長するために何が必要なのか、といったことには何の定見もプランもない。
PISAの結果が指し示しているのは、その現実なのである。

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