室井尚『タバコ狩り』
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この著者のことは、新聞記事で初めて知って以前の記事(2005年6月10日号)で取り上げたことがある。
だが、この本のことはつい最近まで知らず、ようやく読んでみることになった。
新聞記事だけでは分からなかった多くのことが、(当たり前だが)本を読んで改めてよく分かった。
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吉田満『戦艦大和ノ最期』(2004年4月7日号)をもう一度読み直したかったのだが、その本が見当たらず(よく行方不明になる(^^;)、同じ本をもう一度買うのもどうかと思っているときにこの本を見つけた。
しかも、この本には『戦艦大和ノ最期』だけでなく、この本が出版されてからあと、56歳で亡くなる絶筆までのいくつかのエッセイがおさめられていて、著者が《戦争肯定、軍国主義鼓吹の文学である》という批判に対して悪戦苦闘しているようすを初めて目にすることができた。
どこをどう読めばそんな批判になるのか、今から考えると不思議な気もするが、それが戦後「進歩派」の変わり身のはやさなのかもしれない。
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勢古浩爾があんまり絶賛するので(2006年1月30日号「勢古浩爾『ああ、顔文不一致』」)、読んでみた。
聞きしに勝る怪著であった。
あの特徴あるオニギリ顔の南伸坊が、どうやったって顔面模写なんて無理に決まっている…と、誰しも思うはずである。
ところが、どっこい、その予想は大きく外れることになる。
似ているのだ。
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マイケル・ムーア監督の映画『ボーリング・フォー・コロンバイン』で取り上げられたコロンパイン高校の生徒による銃乱射事件は、その4年前に公開された『バスケットボール・ダイアリーズ』という映画の中で、レオナルド・デカプリオの演じる高校生が黒いトレンチコートを着て教師を散弾銃で虐殺する「夢のシーン」を模倣した、「コピー・キャット(模倣犯)」であることを、内田樹『街場のアメリカ論』で知った。
「シリアル・キラー(連続殺人犯)」は、すべて「コピー・キャット」であるなどの興味深い分析などについては、改めて取り上げたいが、そのコロンパイン高校などで起きた銃乱射事件に関連して、この本(『ご臨終メディア』)で取り上げられている「少年法改正議論」のところに感心した一文があった。
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同じ著者の『しのびよるネオ階級社会──"イギリス化"する日本の格差』が面白かったので、この本も読んでみた。
昨今の「イギリス・ブーム」なるものの実態を知らないので、「日本人ほどのイギリスびいきは世界中どこにもいない」と言われても、実のところピンとこない。(著者には『イギリス・シンドローム』という著書もあるらしいので、機会があればまた読んでみようとは思う。)
たぶん、「イギリス」に大した興味もないので、注意を払ってこなかっただけなのだろう。
私がこの本を読んで思い出したのは、昔読んだまったく別の本のことだった。
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北海道で桜が開花した、というニュース(場所は聞きそこなったが、おそらく最北端に近い場所であろう)を知って、改めて日本が南北に細長い国であることを実感した。
この本のことを知ったのは、ちょうど西日本が桜の季節に、NHKの『視点・論点』という10分ほどの番組を見た時だった。
コメンテーターは井出孫六で、この本を紹介した上で、ソメイヨシノがクローンと知ってビックリした話から、子どもの頃、家の近くにあった靖国神社の境内で遊んだ話、予科練の記章の桜に憧れた話など、桜の季節になると「落ち着かない」という感想を述べていた。
ぼんやり観ていたので、あまり確かな記憶ではないが、およそそういう話をしていたように思う。
それで読んだこの本は、そのソメイヨシノの「起源」をめぐる、まるでミステリーを読むような面白さだった。
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初詣は「神社」、結婚式は「教会」、葬式は「お寺」といった組み合わせも、大して気にしない多くの日本人にとっては、「篤い信仰」と聞いただけで胡散臭く感じるところがある。
サリンによる無差別殺人を実行する「宗教」や、日本の政治のキャスティング・ボートを握るまでになった「宗教」などを知ってしまった現在、ますますそう思う人々が増えているのではないか。
ましてや、他国の国民を、虫けらのように殺戮して恥じないジョージ・ブッシュが「敬虔なキリスト教徒」だということになると、もう何をかいわんやである。
しかし、定方晟のこの本を読むと、ブッシュは別に異端者ではなく「敬虔なキリスト教徒」だからこそ、平気で殺戮を繰り返せる理由がよく分かる。
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こういう種類の本(?)がお好きな方には分かっていただけると思うが、読者を満足させるのはなかなか難しいものだ。
あまりに個人的な趣味の領域に入り込んでしまうと、読んでいて面白くない。勝手にやってくれ、という感じになる。
かといって、個人的な工夫やアイディアのない本は、読んでいてもっと面白くない。
そこのところの微妙なバランス感覚が難しいのだろう。
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ベストセラーなどにはあまり手を出さないのだが、故あってこの本は買って、一気に読んでしまった。
ミステリーを読むのも久し振りだったが、なかなか面白かった。
まず「つかみ」の殺人事件で、異様なダイング・メッセージが読者を離さなくなる。
最初から犯人とおぼしき人物が登場するので、一種の倒叙法で物語は進み、犯人捜しのミステリーではない。
むしろ、犯人とおぼしき人物の奇妙な背景や背後関係に、読者は引き込まれていくことになる。
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由紀草一『団塊の世代とは何だったのか』を読む──その(2)

この本の序章に、『AERA』(1990年3月27日号)に出たという「団塊世代の八悪」というのが紹介されている。
面白いので、再引用させてもらう。
(1)過剰意義づけ これがないと動けない
(2)理論過多 周りにいるとうるさい
(3)押しつけ 自らの主張の行きつく先を押しつけたがる
(4)緩急不在 何事にも積極的だが、せっかちすぎる
(5)戦略不在 目先の戦術だけ強く、長期的ビジョンがない
(6)被害者意識 他世代への加害者意識はなく、もっぱら被害者意識ばかり
(7)指導力不足 過当競争の中でリーダーシップを忘れてきた
(8)無自覚 以上の点に全く気づいていない
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