2009年8月 5日

裁判員裁判始まる

Justice

とにかくNHKをはじめマスコミは大騒ぎである。
NHKは、同時並行中継なる変な企画に熱を上げているようだし、裁判員が直接証人質問したといっては「歴史的出来事」だとの熱狂ぶりだ。
裁判への関心が高まったことはご同慶の至りだが、相変わらず現象の後追いをするだけで、そもそも裁判員制度にどんな問題があったのかは(もちろん意図的であろうが)すっ飛ばしてしまって、もはやどうでもいいことになっている。マスコミは、そんな役割でいいのか。

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2008年7月31日

西野喜一『裁判員制度の正体』──(2)

Justice

とうとう今日で7月も終わり。
今月の更新は初日と晦日の2回だけになってしまった。
事情はまた追々ということで、前回の続き。
この本を読んで初めて知ったのは、日本の「裁判員制度」が、アメリカの「陪審員制度」との比較で論じられることが多いが(「似ても似つかぬ」代物であることもわかってきたが)、実はヨーロッパ諸国に多い「参審制度」のほうに共通点が多いという著者の指摘だ。

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2008年7月 1日

西野喜一『裁判員制度の正体』──(1)

Justice

元裁判官が「裁判員制度」を批判した本が最近いくつか書店にも並んでいる。
この本もそうした本の一つだが、裁判の手順や実態に詳しい元裁判官ならではの事細かな問題点の指摘に説得力があり、「裁判員制度」の根本的な欠陥を明らかにしている。
その意味で、この本は一読をお薦めできる内容なのだが、そのことを紹介する前に、私には納得できない2点について先に述べておきたいと思う。

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2008年5月23日

光市母子殺害事件に死刑判決

Justice

差し戻し審は予想通りの「死刑判決」で、上告も棄却される公算が大きいようなので、遠からず確定するのだろう。
それにしても、真実がますます見えにくくなってしまった、後味の悪い裁判である。
事件と裁判そのものについては、多くの人々が語っているので、少し別のことを3つほど書き留めておきたい。

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2007年11月30日

高山俊吉「裁判員制度のワナ」

Justice

「思い込み」と言えば、「裁判員制度」についても私には強い「思い込み」があった。
日本の司法制度は、上級審にいくほど行政に追随する度合いがひどくなり、「司法権の独立」という憲法の大原則を司法自らが放棄しているとしか思えないことで、未だに冤罪判決を顧みないその仕組みが「裁判員制度」によって少しでもマトモになるなら悪いことではあるまい、という「思い込み」が一つ。
もう一つは、主権者たる国民の側の「裁判員になりたくない」「責任を負うのはイヤだ」という消極的で無責任な考え方に対する疑問があった。
基本的その考え方には今も変わりはないが、「裁判員制度」というものは私が「思い込んで」いたものとはかなり違っているらしいことを知った。

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2007年8月30日

無実の「死刑囚」124人

Justice

昨日 (8月29日)のNHK『クローズアップ現代』「無実の“死刑囚”124人の衝撃〜えん罪に揺れるアメリカ〜」はかなり衝撃的だった。
つまり、刑が確定した「死刑囚」のうち124人もの人々が冤罪=無実だったということである。
刑が確定しているということは、たまたままだ生きているだけで、既に死刑になっていても当然だったわけだ。
ということは、これまでの死刑囚の中にも冤罪で死刑にされた人々がいるかもしれない、ということになる。
それが明らかにされる可能性はあるのだろうか。

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2007年5月19日

17歳の母親殺し

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母親を殺した会津若松の高校3年生の事件を巡って、事態は予想通りの展開になりつつあるようだ。
予想通りというのは、一つは殺した母親の頭部をカバンに入れて自首したとか、切断した右腕に白いスプレーをかけて植木鉢に挿してあったとか、犯行前に予告のメッセージをネットに公開していたとか…「普通じゃない」と思える内容についての、「ああでもない、こうでもない」というワイドショーをはじめとしたマスコミや、「心の闇」などと称する専門家のお約束の登場である。
もう一つは、犯人への「精神鑑定」が予定されているらしいことだ。
たまたま読み終えたばかりの、日垣隆『そして殺人者は野に放たれる』には、「精神鑑定」そのものの科学的根拠が疑わしいことと、特に検察官による起訴前の「精神鑑定」は違法だと書かれている。

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2007年5月 1日

長嶺超輝『裁判官の爆笑お言葉集』

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裁判官が、判決文を言い渡した後でひとこと意見を言うのが異様に感じた記事を以前に書いた。(2007年3月19日号)
しかし、この本を読むと一般に「説諭」と呼ばれている裁判官のこの発言は、刑事訴訟規則221条に定められている歴とした法令行為らしく、正式には「訓戒」というのだそうだ。
それにしても、ここに集められた裁判官たちの「お言葉」は、六法全書の丸暗記しかしたことのない連中の「オツム」の程度が大変によく分かる。

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2007年3月19日

堀江被告に対する、東京地裁小坂裁判長の「説諭」

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『内田樹の研究室』で堀江貴文被告への東京地裁の判決がとりあげられ、平川克美ブログ『カフェ・ヒラカワ店主軽薄』へのリンクがしてあった。
内田はメディアが「読者への敬意」に欠けているとし、平川は「株取引」のリスクとリターンの「自己責任」について述べていた。
2つのブログ記事を読みながら、テレビの報道を見て私も感じていた少し別の違和感ことを思い出した。

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2007年2月22日

「死刑囚100人」

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2月21日付朝刊の一面にこんな見出しが大きく出ていた。
マスコミがなぜ今頃になって急にこんな数字を大きく取り上げるようになったのか訝しくは思うが、それは措いておこう。
年末時点で3桁に上った年は1946年以来例がないらしいから、60年ぶりということで取り上げたのかもしれない。
死刑判決が確定した囚人が、なぜ100人も生存しているのか、という疑問は多くの読者が持ったはずだ。
「なぜ早く殺してしまわないのか」と思った人は多くないだろうが、何か変だと思うのが普通だろう。

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2007年1月27日

無実の罪で、2年の服役

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また新たな冤罪事件が発覚した。
富山県氷見市の男性(39歳)が、2002年、婦女暴行事件の犯人として逮捕され、懲役3年の実刑判決を受け、仮釈放されるまで2年1ヶ月の服役を既に終えたあと、実は無実だったというのだ。
身に覚えのない犯罪で、2年余の懲役刑を課せられるなど、こんなひどいことが許されるのだろうか。
真犯人が「自供」したために冤罪であることが分かったが、もし真犯人の「自供」がなければこの男性は今でも犯人として濡れ衣を着せられたままの状態だったことを考えれば、これ以上悲惨なことはあるまい。

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2006年12月28日

名張毒ぶどう酒事件、名古屋高裁が再審を取り消し

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12月26日、名古屋高裁は「名張毒ぶどう酒事件」の奥西勝死刑囚の再審開始決定を否定した。
いくつかの新聞の記事や社説をネットで読んでみたが、保守的な新聞まで含めて「疑わしきは被告人の利益に」という裁判の原則を放棄しているのではないか、と指摘していた。
「自白偏重」が戦後の多くの冤罪事件に共通している。
「やってもいないのに自白するはずがない」と、名古屋高裁の裁判官は無邪気に信じているのだろうか。

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2006年12月 9日

奥野修司『心にナイフをしのばせて』

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この本のことを知ったのはNHK『週刊ブックレビュー』で、書評ゲストが紹介していたからだった。
事件そのものも凄惨極まりないが、事件後30年目に分かった信じがたい衝撃の事実もどうしても自分で読んでみないではいられなかった。
1969年に起きたこの事件のことを、私も新聞記事などで知ったはずだが、この本を読むまで記憶にはなかった。

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2006年6月24日

最高裁、靖国訴訟の上告棄却

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歴代首相の靖国参拝をめぐる訴訟での、初めての最高裁判決である。
一審・二審も「憲法判断」を回避したお粗末さに対して、最高裁が「司法権の独立」を証明してみせるのかと思いきや、やっぱりと言うべきか「お粗末」な判断を下した。
判決後の記者会見で、安倍官房長官は「最高裁の判決なので、判例として確定したと考えている」と勝ち誇ったように述べていた。

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2006年3月28日

日野町事件、再審棄却

Justice

 テレビニュースと昨日の新聞報道で見るまで、この事件のことは何も知らなかった。
 だが、大津地裁の「再審棄却」の理由が簡単に書かれていて、「本人の自白は自発的」なもので、警察による鑑定結果と自白との食い違いは本人の「思い違い」などとしていることに驚いた。
 日本の裁判官は、なぜこうも「懲りない連中」ばかりが多いのか、暗澹たる気分になった。

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2005年11月 9日

森達也・森巣博『ご臨終メディア──質問しないマスコミと一人で考えない日本人』──(2)死刑制度をめぐって

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日本は、刑罰としての「死刑制度」を残している先進国では、アメリカと並んで数少ない国である。
新しい内閣で法務大臣となった人が、「私は死刑執行のサインはしない」と「私見」を述べたとして叱責を受けたというニュースもあった。
8割もの国民が「死刑制度」を支持している後進国で、「まとも」な法務大臣が務まるわけがない。

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2005年10月 1日

総理大臣の靖国神社参拝に大阪高裁が違憲判決

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昨日 (30日)、小泉総理大臣の靖国神社参拝に、大阪高等裁判所が違憲判決を出した。
「憲法判断を避ける」という、司法の自殺行為を続けてきた裁判所が、当たり前の判断をしたことで、原告弁護団が言うように「画期的」などと言わなければならない現状そのものが情けない。

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2005年7月 7日

裁判所による「棄民」

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昨日、大阪地方裁判所で中国残留孤児の訴えを全面的に退ける判決が出された。
おりしも、昨日7月6日はサイパン島玉砕の日であり、今日7月7日は、七夕であるとともに、日中戦争の全面的な始まりとなった「蘆溝橋(リュイコウチャオ)事件」の起きた日でもある。
戦争の犠牲者に対して、国家がいかに無慈悲で残虐な仕打ちをするものか、改めて実感させられた判決だった。

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2005年6月10日

犯罪被害者は「死刑を願う」という偏見

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大阪の池田小学校で、残忍な殺人事件が起きてからもう4年が経つ。
愛児を殺された人々の悲しみや苦しみは。想像することさえできない。
加害者の宅間守が早々と殺されて、遺族は「恨みを晴らす」ことができたのだろうか。
自分が遺族だったら、ちょっと違うのではないか、と以前に書いた。
とはいえ、これも想像上のことで、実際に遺族になったときにどう考えるかは分からない。
そんな矢先、『朝日新聞』(2005年6月4日朝刊)に原田正治さんという会社員のかたの記事「犯罪被害者=「死刑願う存在」は偏見だ」が載っていた。

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2005年4月18日

「名張毒ブドウ酒事件」と「裁判員制度」

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1961年に三重県名張市で起きた農薬入りブドウ酒による5人の死者が出た事件の犯人として死刑の判決が確定していた奥西勝死刑囚(79歳)に対する、第7次の再審請求がようやく認められた。
44年もの間、無実を訴えてきた一人の人間に、ようやく救いの手が差し伸べられたということだろう。
再審請求が認められたということは、無罪の判決が出る可能性が高い。

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2005年2月22日

「死刑制度」と「裁判員制度」

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死刑制度を容認する人々が、初めて8割を超えたそうだ。
死刑制度がなくなれば凶悪犯罪が増える、と「将来も廃止しない」考えの人々が61.7%を占めるらしい。
それにひきかえ、「どんな場合でも死刑は廃止すべきだ」と答えた人は前回より2.8ポイントも減って6.0%となった。
この数字が表しているのは、日本が先進国とはほど遠い野蛮な国らしい、ということだろう。

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2004年9月14日

宅間死刑囚が、今日処刑された。

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死刑が確定してから11ヶ月というスピード記録らしい。
「死刑制度」は、僕にとってかなり大きな関心事で、これまでも自分の考えを述べてきたので、一言コメントしておこうと思う。

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