今橋映子『フォト・リテラシー』
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小林秀雄賞を受賞した内田樹『私家版・ユダヤ文化論』を読んだ時、実に刺激的で面白い本だと思ったのだが、どこか釈然としない、という意味のことを書評(2006年7月26日号)で書いた。
その刺さったままの棘のことは忘れていたのだが、最近読んだ雑誌の写真で思い出した。
それは、ヨーロッパで「ユダヤ人」以上に迫害を受けてきて今も受けている「ロマ(いわゆるジプシー)」のことだ。
彼らは、ユダヤ人のように数多くのノーベル賞受賞者もいないし、芸術の分野以外では著名な人物をそれほど多くは輩出していない。そのような生活環境からはほど遠い、すさまじい差別と迫害に晒されている。
私が知らないだけで実際には「ロマ」について論じている学者もいるのかもしれないが、「なぜユダヤ人なのか?」という疑問の根拠は、どうやらこのあたりにあったのかもしれない。
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10年の間をおいて出された2冊の写真集である。
「路上観察学」なる奇怪な探求の成果で、この写真集が普通の写真集といちばん大きく異なっている点は、それぞれの写真が「キャプション」とセットになって楽しめるところにある。
どの写真も、ありふれた日常の一コマを切り取っているだけなのだが、なにやら不思議な光景ばかりなのだ。(前の記事で取り上げた『老人とカメラ』と同じ写真も何枚かあって、こちらがカラーである点が違っている。)
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